「……落ち着いたか?」


「うん…」



20分ほど俺の腕の中で泣いていた姫那。



頬に涙の跡が残っている。






「帰るか」



手を繋いで促すと、こくんと頷いた。












姫那が心配だったから、自転車をおして送ると言ったが

大丈夫だと姫那が言ったので、2人乗りをする。








「先輩、シャツごめんなさい…」


姫那が、俺の背中で話す。





シャツ…?

ああ、涙で濡れてることか。




「気にすんな。思いっきり泣けたか?」


「うん」



なら良かった。



こいつを泣かせていいのは俺だけだ。