季節はあっという間に過ぎていって、
私は高校2年生になっていた。
いい年になっても、私はいつもおじちゃんの家に押し掛けていた。
「おじちゃん、タカの奴浮気してるんよ。他のクラスの女の子と手を繋ぎかなら帰ってるの、かなこが見たって…」
タカとは、高校一年の夏休み前から付き合い始めた同じクラスの男の子の事だった。
私の一目惚れで、今までの人生の中でのありったけの勇気を使った告白で見事OKをもらい、付き合っていた。
「…手を繋いでたんかぁ。そりゃあ、タカに直接聞いてみるしかないなぁ」
保おじちゃんは困った顔をして、うーんと唸りながらそう言った。