「…あ…っと、悪りぃ。ここ、お前の特等席だったよな?」

「…………」

「もう退くから」

起き上がり、頭を掻きながら、片膝をつく先客は、私が一生関わらなさそうなタイプの人で


「…なんで」

「は?」

「なんで知ってるの。ここが私の特等席だって」

「あぁ〜……」

困ったように頬を掻く先客は、目つきが鋭いせいか、その仕草には違和感があった

……言わないけど