そう思いながら私は部室前に来ていた。
すると、ドンっと肩がぶつかった。
「あ、ごめんなさい」
相手を見ると、
「あ、樋野くん」
「…」
樋野くんはチラッと私を見ると、スタスタと仲間のいる方へと言った。
向こうでは『用事が終わったなら、早く来い!樋野―!』と監督に呼ばれていて。
…もしかして、わざとぶつかってきたのかな…?
なんて思いながらも、まあ、それは考え過ぎかなと思い。
すると、
「…今、樋野がいた?」
環奈ちゃんは、部室の中から一枚のプリントとともに出てきて。
「え、あ…うん。何か用事だったのかも」