カタカタと震える手でテーブルにお茶を並べるミヨンさん

その姿を睨み付けるドンウォンさん

重苦しい雰囲気が漂うのを、会長は不思議そうにドンウォンさんとシフォンさんを見ている

そんな時、再び部屋がノックされた

しかも相手は返事を待たずして中に入ってくる

そう‥‥

桜井蒼紫だ


【AO AKUAの会長さん達ではありませんか‥‥】

【おぉ~、桜井さん
 久し振りだな?
 今回はRURIさんが桜井さんの仕事相手ですか?】


驚きだ

まさか、桜井蒼紫がパク会長と面識があったなんて思いもしなかった


【そうなんですよ
 今回、世界の歌姫を独占取材する事になりまして、写真集も出す予定なんですよ】


はぁあ?

写真集って‥‥

独占取材は聞いていたけど、写真は雑誌に年間で掲載するだけだって言っていたのに、写真集まで出すなんて聞いてない


【もし宜しければ、RURIの写真集の数頁をAO AKUAのGorgeousの服を着せてみてはと思うんですが‥‥
 どうでしょう?】

【それは願ってもない話です】

【そうですか?
 なら、RURIに着させたい服が何点かありまして、是非とも会長と社長に見てもらいたいので、良かったら衣装が置いてある部屋に行きませんか?】

【勿論です!!
 ドンウォン、何をしておる
 桜井さんと衣装を見に行くぞ!!】


思い掛けない桜井蒼紫の言葉に、ノリノリのパク会長はドンウォンさんを無理やり引っ張るように桜井と控室から出て行ってしまった

残ってるのはシフォンとキム親娘

そして私とジェニファーだ


【RURI‥‥
 あなたの写真集なんだから、私達も確認に行くわよ
 エミリー、あなたも一緒に来なさい】

【うん‥‥
 じゃあミヨンさん、シフォンさんのお相手をしててあげてね】


ジェニファーに声を掛けられ、私は慌ててソファーから立ち上がった

そしてニッコリと笑顔でミヨンさんに声を掛けると、心の中で頑張れっと呟き控室から出て行ったのだった

控室を出てから衣裳部屋まで行く間、ジェニファーは桜井蒼紫の行動を絶賛していて、それから写真集を出す事は事実だと告げて来た

Gorgeousの衣装を着るかは不明だそうだが、本当に私に似合う衣装があれば韓国での撮影が今回の予定に入ると言う

ってか、そんな時間は取れるの?って疑問だったけど、やるとジェニファーが決めたのなら無理にでもスケジュール調整をするはずだ

でも‥‥

桜井蒼紫がカメラマンなんだよねぇ~

雑誌の年間掲載の為の撮影でさえ嫌なのに、写真集まで彼と一緒の仕事なんて気が重い