韓国のスタイリストと、私の専属スタイリストのミランダ・ジェバリーが言い争いをする中、私は用意されていた洋服を見て歩いた

地味を主張する韓国のスタイリストは、グレーやブラウンといった色彩のパンツスーツを用意している

秋に放送予定って事はブラウンでも悪くないが、何処まで地味な演出を考えてるかは監督次第

しかし、こちらサイドの契約事項にダークブラウン系の服は私のイメージ合わないから着用しない事を契約する際に取り決めをしていたと言う

それなのにダークブラウンのスーツが用意されていた事にスタイリストのミランダは激怒しているのだ


【ブラックグレーのパンツスーツがあるけど、これを着ても良いかなって監督に聞いてくれる?】


私は手にしたブラックグレーのパンツスーツをラックから取り出し、通訳のキムさんを通して監督に着用の許可を取った


【RURI‥‥!!】

【だって、出来る女性なんでしょ?
 地味でもカッコ良さは出した方が良くない?
 ミランダなら、そんな女性像に仕上げるのは簡単でしょ?】


韓国のスタイリストとミランダの間に入り、私はミランダにブラックグレーのパンツスーツを胸に当てて見せると、ミランダは何をしてるのとばかりに私の名前を大きな声で言い放ったが、ミランダの怒りを収めるように笑顔でミランダに告げるなり、全くっと呆れながらも支度をするわよっと言い私を控室に連れて行ったのだった

ブラックグレーのパンツスーツに着替え、長い髪の毛をミランダがシンプルだけどエレガントなアップに髪を纏め、黒のシンプルな5cmのパンプスにナチュラルなメイクにメガネを掛けさせられると、ミランダ風の出来る女に大変身させられた


【なんか、私でも頭が良さそうに見えるね♪】

【何を言ってるの?
 RURIはUCLA大学の卒業生でしょ!!
 頭が良いじゃない!!】

【そう言う意味じゃなくて‥‥
 なんかキャリアウーマンになった気分だって事!!】

【そう言う事ね!!
 でも、それは当然じゃない?】


上出来っとでも言うように私を見たミランダ

ミランダの言う通り、私を変身させてくれるのはミランダのずば抜けたセンスと技術の持ち主だ

私の専属スタイリストになってから1年

28歳のミランダは、私にとってお姉さん的存在の一人でもある

それに、私に何が一番似合うかを熟知しているミランダ

カラーコーディネーターの資格を持っている彼女に任せていれば、想像以上に完璧に仕上げてくれるのだ