毎日。
 もうかれこれ半年を過ぎるかもしれないその間、毎日といっていいほど通っているのにも関わらず、この瞬間に慣れることがない。


 室内の薄暗さになれた目が光に痛む。
 じんわりと慣れが来て視界が広がるが、そこには誰もいない。


 辺りを一通り見回し、溜め息をつく。

 扉の鍵は空いていたにも関わらず彼の姿は、ない。

 冷え切った空気を混ぜかえすように風が吹いて、彼女のセミロングの柔らかな髪をさらう。
 ゆっくりと髪を耳にかけて、ドアに戻りそのすぐ隣を背もたれに座ると、コンクリートと壁の二面からの冷たさに寒気が走った。

 前方に目をやりもう一度、今度は深い溜め息をついた。


「何よ。来ないなら鍵なんて開けてないでよ」


 ぽつりと零してから、弁当に手を付ける。