「目ぇ整形してるだろ? その前に性格なおした方が良かったんじゃねぇ?」


 顔より……性格……?


 「ウッ!」

 「ナメんな寿!!」


 ブチって私の中で何かが切れたと思った瞬間、寿のお腹に拳を一発見舞ってた。

 腹部を押さえて私から距離をとった寿に、今度は私が詰め寄ってやる。


 「アンタに言われたくなっ、うわぁっ!」


 痛がってたはずの寿が私をベッドに押し倒す。


 「い~度胸してんなぁ。男じゃなくて良かったよマジで」


 また至近距離まで顔を近づけて、寿はニヤッと笑った。


 「お前にも朗報くれてやる。本気で惚れた」

 「ふっふざけないでよっ!」

 「ふざけてるかどうかは、自分で確かめろ」


 楽しそうにそう言うと、寿はもっと顔を近づけた。

 キスされるって思った瞬間、両目をギュッと閉じて、唇に力を入れた。




 来ない……何も……触らない……




 ただ心臓だけがドキドキいって、身体中に力が入ってる。


 「美希。その顔嫌いじゃないけど、100パー拒絶されてたら、何もできねぇよ」
 

 そんな言葉を残すと、寿はあっさりと私の上から下りた。






 何で―――――?

 何でって、おかしいけど……

 やっぱり、そう思うじゃん。






 怖々目を開けて辺りを見たら、寿は右手を左肩に置いて、首を回してるところだった。


 「もう帰るか? それとも俺と一緒に遊ぶ?」

 「かっ帰りますっ!」


 これ以上こんなところにいたら、何されるか分かんない。

 それに寿の言ったこととかやってることとか、

 意味分かんないから一人になって考えたかった。