ちょっとちょっとちょっと!!

 ヤバイじゃんっ!!




 彩並グループの会長に会うの!?

 日曜日に、しかも寿の彼女、次期社長夫人として!!

 寿はそれでいいわけ?




 私が勝手に言っただけで、しかも、昨日の今日だよ。

 寿が私に一目惚れ……ってそんなことあるわけないよね。

 ああいう世界の人だもん。

 綺麗な女の人なんか、いつも回りに沢山いたと思う。

 学校の中でだって、ファンが多いし、いつも取り巻いてるし。

 うん、あるわけない。

 遊ばれただけだよ。

 そう考えると、悔しいなぁ。

 私思いっ切り動揺してたし。




 クソ~ッ!!




 向こうもヤル気だ。

 こっちもホン気で行かなきゃ!!

 プライベートな場所での演技なら大得意。

 絶対負けない。


 「岡崎さんっ!! 何で今日寿くんと一緒に通学して来たの!!」

 「しかも遅刻して来てさ。寿くん歩きだしっ!!」


 どんな手使ったのよアンタ!!

 ずるいじゃないのっ、一人で抜け駆けなんてぇっ!!

 って顔に書いてあるハイソな女の子が私の机までやってきた。




 白くてつやつやした肌に、黒くて綺麗な目。

 ギャルメイクの子もいるけど、似合ってて可愛い。

 あんなヘアースタイルどうやってするんだろう。

 綺麗になるにはテクニックもいるんだなぁ……




 ごめんね。


 悪気はないんだけど……





 昔も今も、あなたたちは私の憧れ。

 だから、凄く優越感。

 寿が私のこと何とも思ってないこと知ってるけど、それでもやっぱり嬉しい。