ブス……私は、ドブス……







 可愛いなんて思ってないよ。

 なのに、どうして?

 何ていうか……すごい……

 えーと……






 私の瞳はいつの間にか、リュースケくんじゃなくて、白い上履きを見つめてた。





 視界が歪んでく。

 みんなの前で、泣くの?

 私。

 そんなの、惨めすぎない?





 グッと奥歯を噛んで、何度か目をぱちぱちさせたら、真っ逆さまに涙が落ちた。

 視界がクリアになる。

 私は顔を上げた。




 歩いて自分の席に行って、いつもみたいにランドセルから荷物を出す。

 机に入れて……

 平気平気。

 私は強いんだよ。

 一時間目は算数だね。

 教科書出して、ノート開いて……

 あ、その前に朝の会があったんだ。





 バカだなぁ。

 恥ずかしい。

 みんな見てるから教科書はそのまんまにしとこう。




 恥ずかしいな。

 教室、出ちゃおっか。

 朝の会まで、まだ時間があるから。