翌日からは失笑と陰口。

 私に告白されたことが笑いの対象になって、告白された人がからかわれるようになるんだよ。





 だけど知ってる。




 美人は遊ばれてから捨てられるんだよね。

 でも、どっちがいいかなんて、比較にもならないよ。

 顔や体系のことを恨んだけど、悪いのは差別した男。






 私は絶対許さないから。






 彩並寿、その最たる人間だよ。

 ああいう男がいなければ、私が流した涙の数は十分の一に減ったはず。


 「許せないよ。懲らしめなくっちゃ岡崎美希の名が廃る!! 」


 中学校の頃から一番近くで私を見ていた奈々だからだと思う。






 「そうだね。懲らしめたい」






 受話器越しの奈々が、微笑みを浮かべてるように感じた。


 「そうこなくっちゃ!! 向こうも私の真意に気づいてるから、成功したら効果テキメンだよ」

 「きっ気づいてるの? それじゃあ、何しても効果ないんじゃない?」

 「あるよ。罠だと分かってたのに引っ掛かったっていう苦すぎる経験がこれからの寿を変えるハズ」

 「自信あるんだね」

 「あるよ」


 だってこれは出来レース。


 「落とせるとは思ってないけど、絶対落とされないもん。
 寿はチヤホヤされてきただろうから、それで充分だと思う」


 ドローも私の勝ちだから。


 「ナルホド~」


 キレて車に乗ったあたりまでは計画的だったけど、

 それから先は行き当たりばったりだった。

 でも、神様は私たちの味方だったみたい。

 奈々との電話を終えて夕食を済ませたあと、私は星哉に電話した。


 「部活お疲れ様」

 「おぅ」

 「あのね、今日は面白い話しがあるんだ~ぁ」


 私がすべてを話し終わる間、星哉は相槌を打ちながら静かに聞いていてくれた。