一人ではどうしようもないことを考えながら天井を見上げてたら、

 談話室のドアが開く音がした。

 先生とあの女が喋っている。

 二人の会話からじゃ新山がどんな状態なのかは分からない。

 しかしあの女の態度からじゃ、新山の中で俺は相当、酷いことをした人間てことになってる。



 どうするかな……




 そうこうしている間に、スライド式ドアが開く音だけが部屋に響いてきた。

 その音に先生が反応するでもなく、誰かが喋り出すでもない。

 カーテンの端を少し開けて外をうかがうと、先生はいなかった。

 俺はベッドを降りて、談話室の前に向かう。






 ガラにもなく緊張してる自分が笑える。

 ノックを二回。