「待って!」

 「何?」

 「奈々のこと、どう思ってるの?」

 「特別」


 トクベツ!?


 「興味も何もない女に手出すと思う?」


 やっぱりそういう奴だったんだ。


 「ミッキーは正直だな。俺も正直んなってやろうか?」


 楽しそうに笑ってる。

 ムカつく~~~っ!

 こういう人、ダイッキライ!!


 「俺を落とす気あんの?」

 「はぁっ!?」


 バカも休み休み言えっつーのっ!!


 「その顔、結構可愛いんじゃない?」

 「かっかわ……」

 「行っていいよな?」


 私を動揺させといて、それにはかまおうともしない。

 そんなリップサービスで、私が許すと思うの?

 百年早いわぁっ!!


 「ダメに決まってるでしょ」

 「正直に言っただろ?」


 しょっ正直……?

 本気で私を可愛いって?

 そっそんな、バカなこと……って、論点ズレてるから!!


 「私が訊きたいのは、奈々のこと」

 「それにも答えた」

 「あんなのじゃダメ」

 「じゃあ何て言えばいい?」

 「好きだとか、愛してるとか、いろいろあるでしょ?」

 「どれも違う」

 「やっぱり奈々のこと」

 「特別だって言っただろ? それ以上でも以下でもねぇ」


 “特別”って“好き”っていう気持ちじゃないの?


 「奈々ちゃんつれて来いよ。直接言ってやる」


 真剣な顔で、私を真っ直ぐ見つめていた。