微妙な気分だ。

 新山を開拓したい気もする。





 だけど、心ん中がウブすぎる。

 ゼッテェ俺はマジんならねぇし、なったとしても、結局捨てることになるし。




 分かんねぇ。

 けど、血が沸き立ってんだよな。





 膝の裏とか肘の内側とか、デカイ関節の谷側から全身に向けて、

 ゾワゾワした細かい気泡がゆっくり回っていくような感覚。




 それに操られたら、どうなるか分かんねぇ。




 キッチンの戸棚にある紅茶の缶を適当に取って、ティーポットに入れると丁度良く水が沸騰した。

 ティーポットとカップを持って押し開けた部屋のドア。




 あ?


 いねぇ……




 どこ行ったんだよ。





 机の上にティーセットを置いて外に出るとゲストルームの扉を開ける。

 部屋のど真ん中で立ったまま、新山は足元を見つめていた。



 まぁ、ここでもいいか。




 「その辺適当に座ってろよ」


 言ってから部屋からティーセットを持って来ると、

 新山は膝の上で握った拳を見つめて硬くなっていた。

 ベッドに腰をかけて。

 覚悟はできてるってことかよ。

 戸惑ってんのは俺の方?



 ナメんな。

 即行抱ける。




 「紅茶でいいよな?」


 新山は恐縮してうなずいた。

 茶色の液体が、生々しい音を立てて入っていく。

 自分のはつがずにソーサーにカップを乗せ、新山に近づいた。




 ためらい?

 んなもんねぇよ。




 イスがあんのにベッドに座ってる方が悪い。