舞台の上で落ち込むだけだった女の子はもういない。

 周りと自分を騙し続けてきた少女は私の記憶の扉の向こうで

 一重瞼を下ろし、深い眠りについてるんだ。






 今だったら泣けるよ、あの会議室で。

 今だったら舞台の上で見た星哉の笑顔、励ましだったって、すぐ気づく。









 星哉、大好き―――――









 最後尾を目指して歩く星哉の真面目な横顔をチラッと見て、

 私はひそかに笑った。






 四年後の未来で過去をやり直す。

 なんかカッコイイなぁ。






 私のトラウマ、きっと消えるよね。