スカートの裾を握って、頭を引っ張り上げる。

 必要以上に入った力。

 眼前にあるいくつもの視線を直接自分の目に映したくなくて、眉頭が寄った。

 垂れ下がる前髪がブラインドみたいに視界を遮ってくれている。




 大丈夫。

 早く謝っちゃいな!!





 「ごめんなさいっ。もうしません」


 そう言って私は頭を下げた。


 「ここにいる七人の生徒は……」


 第二学年の主任は私たちの不祥事を事細かに説明する。





 早く舞台を降りたい。






 何を言われても、何をされても笑って冗談ぽく返す。

 それが天真爛漫な少女、岡崎美希。

 私のモットーはLife is my show stage.

 羨ましがられるところなんか、何もない。

 私が煌びやかな舞台の上で華やかな衣装をつけたら、

 観客は魅了されるどころか爆笑する。




 だけど、こんな空気じゃ失笑だよ。

 そんなの、一番キツイ。



 いつ聞こえるともしれない笑いの雰囲気に怯えながら、私は必死で涙をこらえていた。