「奈々ちゃん、脚は斜めに倒すとラインが綺麗に見えるらしいよ?」


 紳士な面をつけてにフランクに振舞ってみた。


 「はっはいっ!!」


 勢い良く脚を倒すとその上に二つの拳を乗せ、見つめる。

 緊張してこっち向きもしねぇ。


 「あっ彩並クンは、何で転校して来たんですかッ!!」

 「奈々ちゃんに会うため」

 「かっからかわないでクダサイッ」


 ちっせー蚊の鳴くような声で顔真っ赤にして言うってことは、

 からかってくれって言ってるようなもんだろ。


 「これが運命の出会いだったら、嘘にはなんねぇよ?」


 クセーセリフ。

 腹ん中で爆笑してるとは知らず、新山は唇を噛んで

 表情が見えなくなるほど、うつむいちまった。




 こいつウブすぎねぇ?



 そばにいるのは押せ押せな感じで気の強い女ばっかりだったから、

 俺の感覚が麻痺してるだけなのか?