「ねぇ……ミッキー……お昼さぁ…………
 違うところで食べない?」


 昼休み、奈々が言いにくそうな感じで、ちょっと上目遣いで私を見てる。


 「いいよ」


 奈々がこんな風に言ってくるって、絶対何かあるときだ。

 相談かな……星哉との、こと……?

 それはちょっと、キツイよ。

 私と奈々は外の芝生の上でお昼を食べた。

 天気がいいから近くのベンチにもたくさん人がいて、

 込み入った話しなんかできる状況じゃない。


 「あのね、ウチ…………告白しようと思うの」

 「こっ告白っ!?」


 一瞬にして人の気配は消えた。


 「星哉クンの気持ちとか、まだ全然分かんないけど……」


 熱い日差しもなくなった。


 「先に、ウチの気持ち伝えておいた方がいいかなって、思うの」


 私と奈々と、二人だけの空間になる。


 「気持ち伝えておけばさ、例え今まで友だちとしてしか
 見てなかったとしても、それからは女の子として見てくれるかなって…………」


 星哉が奈々のこと、恋愛の対象として見る……

 私のことなんか、すぐ忘れちゃうよ。

 中学校から一緒だったもん、星哉だって奈々の可愛さはよく知ってる。


 「どう思う?」

 「どうって……」





 奈々が、星哉に告白する―――――





 嫌だって、ダメだって言ったら、奈々はやめてくれるの?

 友だちでいてくれるの?

 前みたいに、三人で仲良くできる?


 「ミッキーがいいかもって言ったら、ウチ、告白する」

 「えぇっ!?」

 「前から考えてたんだけど、なかなか言い出せなくて……」


 奈々の表情が曇って、視線が足下に落ちる。