「奈々ちゃんは心が暖かいんじゃねぇ?」

 「関係あるの?」

 「俺の手が暖かいから」


 右手も出して奈々の手を包み込むようにすると、新山は更に顔を赤くした。


 「手は関係ないよ。彩並クン冷たくないもん……」

 「理由は?」

 「えっとぉ……」

 「根拠欲しいなら俺のこと、教えてやろうか?」

 「おっ教……」


 この女、もう泡吹きそうだ。


 「無理にとは言わないけど」


 俺はサッと奈々の手を離す。


 「教えて……ください……」


 押しに弱そうな女に押させるには引きが肝心、つーのはこれで証明されたな。