「かなりストレスたまってる。
 でもそれは琴音が俺の嫌がることをするからだ」

 「ごめんね寿」

 「俺も言いすぎた。反省してる」

 「お互い様?」

 「そうだな。だから琴音がいたければ、ここにいればいい」

 「ありがと寿。見ない間に男らしくなったね」


 琴音は白い歯を見せて、綺麗な笑顔をつくる。


 「今まで女々しかったってことか?」

 「大人になったって褒めてんの」

 「冗談キツイぞ」


 俺は鼻を鳴らすように笑ってソファを立った。



 ♪インターホン♪



 部屋に戻ろうとしたけど、もう夕食の時間らしい。












 翌朝、琴音の性格は戻っていた。

 戻っていたといっても、テンションだけが高くて、

 もう変にベタベタ抱きついてこようとしたりしない。


 「約束通り、明日の朝まで借りるわよ」

 「あっ明日の朝?」

 「一日って言ったじゃない」


 何言ってんの? って顔に書いてある。


 「一日でも二日でもどうぞ。ジジイには言ってあるんだろうな?」

 「寿お願い」

 「イヤだ」

 「ケチ」


 執事レンタルしてやってんのに、ケチはねぇだろう!

 と言いたいところだが、余計なこと言ってると遅刻する。