部活は引退した。

 だから、最近は、三人で下校する。

 歩道で三人並ぶのは難しいし、車道に出たら

 迷惑だから二人と一人に別れちゃって、一人はいつも私。

 奈々は私に遠慮しないし、私は奈々を差し置いて星哉の隣りになんか行けない。

 仲良くしてる二人を見るのは、やっぱり辛いよ。

 だけど変な風になって友情まで壊れちゃうのは嫌だから。

 我慢するしかないよね、こうなったのは自分のせいなんだし。







 「告白しようと思うの」






 あの試合の日から、四週間弱。

 奈々の気持ちはしっかり固まったみたいだ。


 「そっか……」


 今更やめて何て言えない。

 だけど、頑張ってなんて、きっと大丈夫だよなんて、言いたくない。


 「ミッキーの目から見てさ、星哉クン、ウチのこと、どう思ってると思う?」


 それはキツイ質問だ。


 「星哉表に出さないからなぁ……
 二人でいてもトーク弾むし、好感度高いと思うよ」


 何ソレ。

 好感度高いなんて、中学校の頃から仲良くしてるんだから当たり前じゃん。


 「そうかな。ミッキーに言って貰うと、自信湧いてくるね」


 口の両端を引き上げて、唇に微笑みを浮かべる。

 柔らかい、女の子らしい笑顔。

 きっと、星哉は好きだろうなぁ……

 こういう女の子らしい人。

 多分、そろそろ二人は恋人同士になる。

 そしたら私の居場所、なくなっちゃう。

 二人は今まで通り接してくれると思うけど、絶対に居づらいし、嫌だよ。


 「あのね、お願いが……あるんだけど……」

 「何?」

 「今日ね、二人で帰りたいの」