「図書室一緒に行かない?」

 「俺は寝る」

 「行って欲しいなぁ……」


 控え目だけど譲らないのは梨乃。

 ミエミエの演技はいらねぇんだよ。

 だんだん俺も疲れてきて、遊んでるハズが遊ばれてるような気分になってきた。

 これは許せねぇ。

 俺は勝手か? そうだ勝手だ。

 イヤ違うだろ、そうじゃねぇ。

 二人がおかしい。

 昨日何かあっただろ。

 俺がしたことといえば、夢花と寝たことくらい。

 それでどうして梨乃の方に変化が………


 「夢花、昨日の写真見せろ」

 「いいよ~」

 スゲェ嬉しそうな顔して夢花が写真を見せにきた。

 ところが梨乃は無反応。

 普通なら、

 「何なに?」

 と寄ってくるところを、何も言わない。

 ということは、俺が言うところの“昨日の写真”を知ってるということだ。

 なるほどな。


 「梨乃、図書室行こう」

 「わ~い」

 マジすっかり別人。

 俺に好かれたい一心で、だったら可愛いんだけどな。

 図書館に行こうとしたら、夢花が俺の右腕にからみついてきた。


 「お前は留守番」

 「何で? 彼女でしょ」

 「彼女っていうのは、トイレまでついて来るのか?」

 「トイレじゃなくて、図書室じゃん」

 「いや? 図書館で出したとしたら、似たようなもんだろ」

 「出……す?」

 「分かんねぇなら、昨日のこと例にして、解説してやるよ」


 流石の夢花もパッと顔を赤くした。

 でも引き下がらない。


 「分かった。でも行く」

 「じゃあ今日は二人で来るか? 俺の部屋」


 そういうわけで、学校のあと俺は二人を部屋に連れて帰ることになった。

 こいつら二人はドコまでやってくれるんだ?