知ってるから、ちょっと強引なこと言って一人で帰宅することも可能。

 ペントハウスに厄介なメスの生物が生息し始めてからは、

 俺はあんまり遊ばなくなった。

 学校じゃあ例の通りだし、俺がくつろげるのは家に帰ってからの三時間くらい。

 この三時間だけは鷹槻はジジイんとこで奉仕してるし、

 琴音は結婚式の準備でどっか行ってるらしくペントハウスの中は空。

 同じ血筋の誰よりも台風とそっくりな姉と暮らすなんて、

 ストレス溜まるよな、マジで。

 俺より歳いってるはずの琴音がいつもパワフルなせいで、

 俺は最近スゲェ疲れてる。

 琴音のやつ、あのスタミナはどっからくるんだ。



 毎日男の精力吸いとってんのか!?



 結婚式の準備っつうのは建前で、独身最後の

 フリータイム満喫してんじゃねぇだろうな。


 「た~だいまぁっ!」


 あ~ぁ、あっという間に終わっちまった……

 ソファでテレビ見ながら寝転がってたが、

 あいつが帰って来たら起きねぇと何されっか分からない。


 「こ~とぶき~ぃ」

 「うぉっ!」


 身体を起こしてソファに座ったところを背後から

 抱きつかれ、俺の身体は二つに折れた。



 くっ苦……重い……

 けど……首が……


 頭の後ろが……


 柔らかくて……

 クッションより弾力あって……



 イヤ違う、これはシリコンだ!


 「ど……け……」


 あのバカ体重かけてきやがるから、前傾姿勢のまま俺は必死に耐える。

 胸……いやシリコンに、理性を潰されないように。

 バカ!

 理性じゃねぇ!

 身体だ身体!!