「お相手ならいつでも致しますよ? よろこんで」

 眼タレて言ってやったのに、飄々としてやがる。


 「お前ホントうざいよ?」

 「お褒めに預かり光栄です」


 褒めてねぇから。


 「さぁ寿様、到着いたしましたよ」


 鷹槻が言った瞬間、眩しい陽光がドアの方から入ってきた。


 「どうぞ楽しい一日を」


 勉強嫌いなこと知ってるクセに、嫌味かよ。

 言い返す気も起きなくて、俺は鷹槻を鼻で笑うと外に出た。

 運転手は一礼してからドアを閉める。

 田舎にあるのにチッセー学校だよなぁ、ホント。


 「寿く~んっ。おはよ~っ」


 来た来た。

 ウゼーな朝から。


 「おはよう。朝から元気いいな」

 「うんっ」


 語尾に音符マーク、目にハートマーク?


 「いい天気だね~」


 いつの間にか、俺の前にも後ろにも、女、おんな、オンナ。


 歩きヅレェ。


 「キャッ」

 「あ、悪い。痛かった?」


 目ぇ見て謝る。

 コレ基本。