私がどんなに頑張っても、例え寿がどんなに説明してくれても、ダメだと思う。


 「十年は短くないですよ。頑張ればまた」

 「星哉は、硬派なんです」


 下向いてると、夜景見てると……

 まるで星が降ってきたような景色を見てると、

 泣きそうだったから、私は鷹槻さんを見つめた。



 いつも一本筋を通す、そこが私は好き。

 その強い意志で、私の心を守ってくれたね……




 あれは、小学校の頃。


 『岡崎のこと好きなんだろ~!』

 『そういうんじゃない』

 『じゃあ何でかばうわけ?』

 『可哀想だろ?』

 『同情は恋愛の始まり~! 好きなんだ!』


 どんなにからかわれても、


 『星哉は岡崎が好~きっ、好~き、キースッ、キースッ!』


 どんなにはやしたてられても、


 『お前らおかしいよ?』


 星哉は屈しない。

 私のこと、いつでも、最後までかばっくれたんだ。


 「だから……もし…………」


 ブス、ブスって言われて、本当に悲しくて学校行きたくなくなった。

 それでもマスクかけて登校してたのは、星哉がいたからだよ?


 「こんなことで……すぐ、意見が変わっちゃうような人だったら…………」


 でももう、星哉は私をかばってくれないね。

 かばう必要がなくなった。

 整形したから。

 高校になって、性格も明るくしたから。

 最初は苦しかったけど、今はもう慣れた。


 「私は………十年も……想い続けてなかったと思う」


 あなたに釣り合う女の子になるために、一生懸命努力したんだよ………


 それなのに私は逃げた、星哉から。

 星哉は固い意志を持ってるけど、優しいんだ。

 だから、人の意見とか気持ちとかを、すごい尊重してくれる。


 「今別れるんだったら…………私のこと……綺麗な思い出として
 ………とっておいてくれるって…………星哉が言ってたんです………」