「どうすればいいんだ……?」

 遊びまくってて、それなりに楽しかったけど、

 一人になったとき、ふとした瞬間に、昔を思い出した。


 「忘れるとか、無理だろ……唯夏は物心ついたときから俺のそばにいて、
 あいつが十五になるまで一緒だったんだぞ?」


 一度は両親の許しまで得て、婚約までした仲だ。


 「無理に忘れようとしなくたっていいじゃん」

 「苦しいままでいろっつうのか?」

 「そう」


 バカじゃねぇのか?


 「もっと自分に正直になればいい」

 「俺はいつでも正直だ」

 「だったら戻ればいいじゃん。唯夏さん、寿のことまだ好きなんでしょ?」

 「そんな簡単な問題じゃねぇ。あいつは自分の夢叶えるために、
 たった一言残して、俺を捨てたんだ」

 「だけど好きなんでしょ?」


 俺は、その問いに答えられなかった。


 「俺の三年間はどうなる?」

 「長い人生の中の、たった三年だよ」

 「人ごとだと思って調子こいてじゃねぇ」

 「唯夏さんのこと好きじゃないんだよ寿は」

 「好きだ!」

 「ほら、やっぱり」




 クソ…………

 俺は、まだ唯夏が、好きだ。

 だからこんなにイライラするし、狂いそうになる。