「でも、話し聞いて欲しいとか、何か私にできることがあったら」

 「ウゼェよ」

 「ごめん」


 腕から美希の手の感覚が消えた。

 部屋のドアを見つめる俺の視界の中に、制服を着た後ろ姿が入ってくる。

 心なしか肩が落ちてて、うつむき加減で。



 何で美希がショック受けてんだよ。



 美希はドアの取っ手に手をかけて、それを引く。


 「待て」


 口が勝手に動いて、声が美希を呼び戻そうとした。




 俺の意志か?



 美希は俺の言葉に従順で、ドアを少し引いたままの状態で、立っている。


 「お前さぁ……俺に何してくれんの?」


 いやに冷めた口調に猟奇的な台詞が乗っかった。



 「私に、できることだったら」

 「来いよ」


 俺がどんな男か教えてやる。

 会社とか体裁とか、もう関係ねぇ。



 ぶっ壊してやる……

 何もかも。



 岡崎美希は緊張したような面持ちで、俺の方に戻ってくる。

 のろのろ歩いて、スゲェイラつかすから、数歩近づいて美希の腕をとらえると、

 そのまま引っ張ってベッドに押し倒した。


 「ちょ! ヤダやめて」

 「慰めてくれるんじゃなかったのか?」


 怯えきった二つの目が俺に訴えかけてくる。

 知るかよそんなの。

 美希を押さえつけ、ブラウスの引き裂くようにボタンを飛ばした。

 現れたのは真っ白な下着。





 白……





 この間、唯夏は白いワンピースを着て、現れた。




 『ジュンちゃん白似合うね! 王子様みたい~ぃっ』




 今日も白いスカートを履いていた。