リムジンの中でボーッとしてたらすぐホテルについた。




 ロビーに入ると従業員の視線が痛い。

 カンパニーの顔としては失格だな。



 たった、あれだけのことで………



 三年も前になくなった女のことで、あんなに取り乱すとは頼りないにもほどがある。





 俺はもっと、しっかりしなくちゃダメだ。





 部屋のドアを開けると、鷹槻が足早に歩いてきた。


 「どこにいらしたんですか?」

 「どこだっていいだろ」


 説教食らうかと思ったが、それだけだった。






 私室に戻ったらため息が出た。



 ダサすぎて、





 情けなさすぎて、



 何だかもう……





 涙でそう。

 けどそれは如何せん女々しすぎて自分が一生許せなくなりそうだったから、

 思いっ切り深呼吸してしみったれた感情を吹っ飛ばそうとした。




 コンコンコンッ




 鷹槻にしちゃあ控え目で、せわしないノック。

 誰だ?