う~っ、どうにかして……




 恥ずかしすぎる。


 「大丈夫」


 首の後ろに力が入った。

 このまんまじゃ肩も首も、つっちゃう……




 パキパキ



 リノリウムの上を歩く足音が近づいてくる。

 後ろも前もヤバイ。

 っていうか、どちらかというと、前のが―――

 バレたらどうなるの?

 夜の学校に侵入トカ、軽く犯罪じゃん。

 関係者以外立ち入り禁止って門のトコにあった。

 卒業生って、もう無関係?



 パキパキパキ



 来る、来る来る来る~~~~~~~~っ!!


 先生が私たちのスグ前を歩いてる。

 私たちが侵入するのに使った職員玄関から外に出るらしい。

 お願いっ、こっち向かないでっ!!


 ギギギィ


 音が鳴るって星哉が言ってた青プラスチックのスノコ板が軋んでる。

 グッと私の胸が押し潰された。

 苦しい、くらい。

 息を吸う度に胸が星哉の腕と一緒に上下する。

 狂ったようにバクバクな、恥ずかしいくらいの緊張が絶対伝わってる。




 星哉―――――



 「ウッ」


 喉の奥から小さな声が漏れた。

 ヤバッ!!

 すかさず星哉の手が私の口を押さえる。


 「油断するな。振り向かれたらアウトだ」


 私の瞳に映ってるのはスーツ姿で初老の先生。