「私は適当に観光して帰りますから」
「や、でも」
ジジイがエリシアと俺を会わせようとしたのは、会社の利になると思ってのことだ。
変な噂でも立てられてカンパニーに、損害を
与えるようなことになったらエライことになる。
「寿楽様! 美希様のお辛そうな顔、ご覧になりませんでした?」
辛そうな、顔……?
岡崎が元気なかったのは、マジでそのせいか?
待て待て! 岡崎は俺のことなんか、これっぽっちも想ってねぇんだぞ?
岡崎の中じゃあ、逆に俺の方があいつのことを
好きだっつーことになってて………
「ダメだ。俺は戻れない」
隣りで
「どうして!」
と叫びそうな顔をしてるエリシアの目をしっかり見つめて、俺は再び口を開く。
「俺は会社の顔だから、私利私欲で動くわけにはいかないんだ」
今日は彩並グループの後継者として、エリシアに会いに来た。
エリシアはグループにとって大事な客だから、
俺は会社の不利益になるようなことはできない。
「寿楽様…………大丈夫ですよ」
つぶやくように俺の名前を読んだあと、
ひどく穏やかな微笑みを浮かべながらエリシアは言った。
「国に帰ったら父には寿楽様の雄姿をお伝えします」
「ありがとう。でも俺は人に借りをつくらない主義だから、
今日は最後まで案内させて欲しい」
「流石……グループの次期社長ですね」
エリシアは、何故か恥ずかしそうに笑った。
「や、でも」
ジジイがエリシアと俺を会わせようとしたのは、会社の利になると思ってのことだ。
変な噂でも立てられてカンパニーに、損害を
与えるようなことになったらエライことになる。
「寿楽様! 美希様のお辛そうな顔、ご覧になりませんでした?」
辛そうな、顔……?
岡崎が元気なかったのは、マジでそのせいか?
待て待て! 岡崎は俺のことなんか、これっぽっちも想ってねぇんだぞ?
岡崎の中じゃあ、逆に俺の方があいつのことを
好きだっつーことになってて………
「ダメだ。俺は戻れない」
隣りで
「どうして!」
と叫びそうな顔をしてるエリシアの目をしっかり見つめて、俺は再び口を開く。
「俺は会社の顔だから、私利私欲で動くわけにはいかないんだ」
今日は彩並グループの後継者として、エリシアに会いに来た。
エリシアはグループにとって大事な客だから、
俺は会社の不利益になるようなことはできない。
「寿楽様…………大丈夫ですよ」
つぶやくように俺の名前を読んだあと、
ひどく穏やかな微笑みを浮かべながらエリシアは言った。
「国に帰ったら父には寿楽様の雄姿をお伝えします」
「ありがとう。でも俺は人に借りをつくらない主義だから、
今日は最後まで案内させて欲しい」
「流石……グループの次期社長ですね」
エリシアは、何故か恥ずかしそうに笑った。