「眩し…っ」

―あ、今日だ。 

阿湖はベッドから出ると朝食をすませ身支度をして
「友達と遊んでくる。昼ごはんは…たべてくるね」

リビングでくつろいでいる母親に声をかけると阿湖は鏡で全身をチェックしてから家を出た

優斗との待ち合わせは最寄りの駅としている
バスに乗り、座席に座ると流れていく窓の外を眺めた

心臓が高鳴る

―プシュー

…着いた   
  


約束していた時間より5分ほど前に着いた

―早く着きすぎたなー…

近くのベンチに腰掛ける

足音が近づいてくる


―ドキッ
顔を上げる

「久しぶり」

そこには、見覚えのある顔立ちがあった
「西田くん…っ!」

腰掛けていたベンチから素早く立ち上がる
赤くなるのが自分でもわかった

―か、かっこい…っ!

小学校のときから人気のある西田は、背が高くなっていた  

「ごめん。待たせた?」
「ううん、さっき来たとこ
 …久しぶりだね」
「…うん。久しぶり。…行こか」

二人並んで歩く
ずっと沈黙が続く

信号が青に変わるのを待つ
「ねぇねぇ、あの二人超お似合いじゃない!?」
「ほんとだ!美男美女ーっ!」

確かに、阿湖は優斗が女子から人気があるように男子から人気だった

優斗はかっこよく、阿湖は美人だった

阿湖は優斗の方をちらっと見てみた

―えっ!?

優斗は手で口元を隠して顔を赤らめていた