目の前が一瞬にしてピンクに染まった―

また、なんの変哲もない平凡な1年になるのだろうと安藤阿湖は思った

信号機が赤から青に変わり再び自転車をこぎだした

何本も植えられている桜の木には桜が満開だった

阿湖は、中学三年の女子校に通っている
小学六年のときにこの学校へ受験し合格した
中間一貫校であるこの学校では今日が新入生を迎えるめでたい入学式だった