必要なものは用意できた。

ぬいぐるみは押し入れの奥にあった、くまのぬいぐるみ。
幼稚園の頃、寝るときも、外に遊びにいく時も一緒にいた。

「えーっと、まず綿を抜く。か。」

ぬいぐるみの背中を切り、綿を全て抜く。

ペラペラのぬいぐるみに米を流し込む。

ザー・・・ザザー・・・・・

米と米が当たる音が6畳の部屋に響く。

パラパラ・・パラ・・

「っち」

数十粒の米が床に落ち、軽く舌打ち。

初めての作業のはずなのに、スムーズに手を進める。

罪悪感はない。

そのあとも指示通り、作業を進めた。

「結構めんどーだな、これ。」