それから10分ほど経って、
私たちが住むマンションに到着した。
「初日にいきなり、ごめんなさい…。」
本当に久我には迷惑をかけた。
「パートナーなんだから、気にしなくていいよ。」
“パートナー”。
今まで、足手まといにしかならないと思っていた自分がバカバカしくなる。
「あ、ありがとう…」
こんな言葉、心から言ったのはどれぐらいぶり…?
そして、こんなにも人に優しくされたのも…。
また、涙が溢れ出しそうになる。
「(感情を持ってはダメだ。)」
そう強く思いながら
車を降りて、マンションに向かって
久我と歩き始める。