どことなく、俺たちは
ソワソワして
いたのだろうか?


“お前らさっさと帰れ
音村と俺の貴重な愛の一時を
邪魔すんなぁ”等と、

定時と共に笑顔の佐藤係長から
ユルイ撤収令を出され
俺たちは予定より少し早く
ストバスコートに集合できた。


「お疲れっすぅ。
あれっ?今日は、
あのお姉さんは?」


弛すぎる挨拶とともに
元チームメイトが走ってくる。


「ぅお…お…、おまえ
その格好で通勤してんのかっ?!
なかなか…自由だな」


ジャージでリュックを担ぎ
走ってきた姿に神島が苦笑する。


「ああ、俺、いつも
走って通勤してるんで。
スーツと靴は、こっちに。」

リュックを指していうヤツに
シワにならないのか?等
その奇行に柏木と神島は
顔をひきつらせている。

「そうそう、で、
あのお姉さんは?」


…なんでキサマが

音村係長を気にかける…?

「何や?斐川の元カノちゃんから
探り入れてこいとでも
言われてるんか?」

“あの人、そんな暇人ちゃうで”
…と、柏木が口元を引き上げる。


…なんて…

悪人ヅラなんだ

柏木…