事務所のノブに手をかける。
「斐川。」
「柏木、どうかしたのか?」
突如呼び掛けられ
手をとめる。
「今晩一時間くらいやけど
時間あるか?」
柏木が手先だけで
シュートのフォームをとる。
「ああ。1×1か?」
ちょうどボールに触りたかったし
いいタイミングだ。
「いや、3×3。神島のタメと
お前の元同級生と。」
えっ…?
どんな組合せだ…?
思わずキョトンとしてしまえば
柏木が小さく吹き出す。
「お前、そんな表情するんやな(笑)
この間、連絡先交換したらしい。
定時終了で移動するぞ。」
「ああ。」
今回は、久々に旧チームメイトと
タッグを組めそうだ。
なんだか嬉しくて
クスッと笑みが漏れた。