「もう、夜なのに?」

私が問いかける。

「友達と遊んでた。親どうせいねーしさ。」

ニヤっと笑うその姿を見ると、ところ処にタバコの押し付けたあとの様なものがあったが、まだその事には触れないでおいた。

「そう。」

私がぷいっと下を向いた。
すると、ブルルルッと車のエンジン音が聞こえた。
それを聞いたのか、竜はパチッと目を開き。

「親だ・・・」

と立ち上がった。

「え?」

竜はタッと走りまた、窓から外に出た。

「じゃあな。」

私にまた、笑顔を見せる。
その姿は優しい笑顔だった。


走り去った竜の後ろ姿を見て。
私はソッと手首をなぞり、窓を閉めた。


また。明日会えるのなら、会いたいと思いながら、電気を消して。

静かに部屋に戻った。