可愛い。なんて。

「はああ!?」

私は自分でも分かった、顔が真っ赤になる感覚を。

すると男はばんそこうを取りだし、私の手首に張った。


「誰なの?」

今更ながらにそのセリフが出てくる。
男は待ってましたと言わんばかりにルンルンになって私の隣に座る。

「菊池竜。中3。」

竜と名乗る男は私を指差し。

「お前の家の隣に引っ越した。よろしく。」

と言う。
確かに隣には連の家があり、もう一個の隣は最近家が立ったばかり。
そこに来たのだろう。

「そう・・・何で入ってきたの。」

もう、警察の事情聴取のような雰囲気が広がっていた。

「窓空いてて、どんなお隣さんかなって覗いたら。お前、リスカしてた。」

竜はマジマジとしゃべる。