☆乃愛side☆
「「俺には真菜美がいるから。」」
私にとって1番つらい言葉だった。
2人は2年間ぐらい付き合っているとクラスの子から聞いた。
私がいない3年間で皐くんはかけがえのない彼女を見つけた。
もうきっと・・・。
私の思いは届かない。
そう思うとまた、涙があふれてくる。
泣きつかれた私は、中庭のベンチで深い眠りについた。
「・・・い。おーい。」
誰かの声がする・・・。
「えっっ!!」
私は目を覚ました。
・・・??誰、この人??
目の前には知らない男の人がいた。
「こんなところで、何してるの??」
「えっ!?えーと・・・。」
私は答えたくなかった。
振られて泣き疲れて寝ていたなんて、絶対に言えない。
「ちょっと疲れて、寝ていたんです。」
「ははっっ!!なんで敬語??俺と君同い年でしょ?」
「えっ!?先輩かと思った。」
「俺は、2年の桐山隼。」
「2年の児島乃愛です。」
「乃愛ちゃんか!!よろしくね。」
---♪♪♪
そんな時、携帯が鳴った。
あ・・・。やばい。忘れてた・・・。
「もしもし。」
「「あんた、何してんの??」」
やばい。夏輝怒りモードになってしまっている。
「え。えーと・・」
「「ケーキ食べに行こうって言ったの誰だっけ??」」
「・・・私です。」
「「だよね。てか今どこ??」」
「ごめん。すぐ行くから。」
「「早くしなさいよ。待ってるからね!!」」
---ブチっ
一方的に切られた。
夏輝は私の後ろの席の子。転校してきて1番に話しかけてくれた。
顔はとてもきれいで、性格はちょっとサバサバしてる。
結構もてるみたいだけど、あまり男に興味ないみたい。
それから、怒るとすごく怖い(笑)
「友達から??」
「うん。」
「そっか。じゃあまたね。」
「うん。ばいばい。」
私は隼くんとお別れして急いで教室に向かった。