そんな愛裕が不思議に思っていることは
琥珀の住んでるお屋敷が、
主のお屋敷と別で隔離されていることだ
それに、新月と満月の時だけは
絶対に琥珀の部屋に入ってはいけない
という決まりがある。

「あ、きたか。」

琥珀はソファーに座って本を読んでいたが、愛裕に気がつき声をかけた。
琥珀はいつも無表情で恐いと
よくメイドのみんなは言うが、
愛裕はとても優しい人だと思っている。