残された男の子達は、顔を見合わせて言いました。
「ごめん」
2人の声が重なり、なにが可笑しかったのか、笑い出しました。
「あの人、誰だったんだろうな…」
「うん、お礼、言えてないよな…」
お姫様が帰った道を見ながら、ぽつぽつと言います。
「………」
「いつか、お礼がしたい。」
「うん、そうだな、お礼。」
2人はもう一度顔を見合わせ、こくりと力強く頷きました。


これは、まだ姫が小さかった頃のお話。