「…この季節に屋上で昼食はダメだね。風邪引いちゃうよ…」


「…そうだなぁ…」


ここで昼食をとらなくなったら、樹に会える機会も減っちゃうなぁ…なんて考えながらもそんな話をした。


樹と肩が当たったままの状態で私はココアを飲み、樹はパンを食べた。


…温かいや……。


さっきは恥ずかしくて怒ったけど、この距離だと少し温かかった。


そして心地がよかった。


一時の間沈黙が続いた。


2人とも何も話さずに昼食をとる。


でも不思議とその沈黙はイヤじゃなくて。


この時間も、明日からはなくなっちゃうんだな…。


自分の発言がそうさせたのだけど。


まあ、どっちみちこの寒さじゃ樹も来なくなってたよね。


残り少ないこんな時間を大切にするように私は過ごした。