樹に対して怒りながらも、口に突っ込まれたクリームパンをモグモグと食べた。


…美味しいんだけどね、確かに。


クリームパンを食べてから、食べかけのあんぱんも食べた。


---ビューッ…


風が強く吹いた。


「さっみ!」


そう言いながら樹は私との距離を縮めた。


…ち、近い!


「な、なんで近づくのよ?!」


「だって寒いだろっ?!近づいた方があったかいじゃねぇか」


温かいけど…。


温かいけど…私の気も知らずに……!!


近すぎて心臓がバクバクだった。


地味に密着しているから、その心臓の鼓動が伝わってしまうんじゃないかって心配になった。


でも寒さでカタカタ震えてるみたいだし、その心配はないと少ししてから気づいた。