母親との一件から、私は自分でもわかるくらいの変化が起きた。


私をひねくれ者にしてきた原因がなくなった今、つんけんすることが少なくなったのだ。


するとどうだろう。


これまで以上にクラスメイトも話しやすくなった、と言われた。


樹からも表情がかなり柔らかくなった、と言ってもらえた。


あの日の次の日、私は最初にクラスメイトと話せるようになった時と同じように、母親との話も樹に報告した。


はっきり言って樹にとって関係のない話なのだけれども、私は嬉しい話があるとすぐに樹に報告したくなるんだ。


だけど、樹に関係のない話でも、樹は今回もまるで自分のことのように喜んでくれた。


他人事でもそうやって喜んでくれる樹を見て、私はそんな樹をもっと好きになってしまった。