---ギュゥ…ッ


…ちょ、苦しい。苦しいよ…。


だけど口には出さなかった。


だって言ってしまったらこの手が離れてしまうから。


「ごめんね、愛華…」


「……おかあ、さん……」


こうやってお母さんに抱きしめられた記憶なんてない。


ずっと、こんな日は来ないって思ってた。


お母さんは温かかった。心地の良い温かさだった。


この温かさ、すごく落ち着ける。


私はずっと、この温かさを求めてたんだ……。




「ねぇ、これからは一緒にいられる?」


私はお母さんに問いかけた。




「えぇ。ちゃんと、最初からやり直しましょう」