だけど無力な私は樹になにもしてあげることができないまま、日が過ぎていった。


なにもしてあげられないもどかしさにモヤモヤしてしまう。


「……あぁ~もう……っ」


そのことを考えていると思わずそう声に出てしまった。


…ここが教室だということを忘れて……。


突然声を出した私に、近くにいた人たちが驚く。


…あ…、ヤバ…。


でもその人たちは私と目が合ってすぐに目を逸らした。


思わず声をあげてしまったことに恥ずかしさを感じながら私は平静を装った。


…あ~、でも…ホントなにかないかなぁ、私がしてあげられること…。