ちょっと力を抜いてボーっとしたとき、あるものが見えた。


……あれ……。


私がある一点を見つめていたものだから樹も「なんだ?」というように私の見ている方向を見た。


そして樹は気づいたのか、その“あるもの”が置かれている棚の方へ歩いて行った。


“あるもの”とは、写真立てのこと。


樹はその写真立てを伏せた。


「……ごめん、見ちゃダメだった?」


「あっ…いや、別に…」