そして助手席のドアを開けた。






「あ……はい」



友田は私が何を話そうとしているのか分かっているのだろうか?
ううん、分かってるはずない。




一歩踏み出そうかどうかの葛藤。




もし、一歩踏み出してしまったら――



友田と一緒に食事をしてしまったら――




その先も、もっと欲張ってしまうのかもしれないと怖くなる。
もしかしたら、このメモを渡せなくなる自分がいるのかもしれない。




さっき、立花さんにはあんなにキッパリと『一人が合ってる』って言ったくせに…




「どうしたの?」



動かない私を見て、不審に思った友田がこっちに近づいてくる。







来ないで。と思う反面

来て私を無理にでも車に押し込んでくれたらと思う自分もいる。