そんな無理をしてもらう価値、私にあるのだろうか……



自問してみればもちろんノーだ。


私のためにそんな道選ばないでもらいたい。
その責任を負えるはずもない。





「立花さん、あの――」




「あのさ、もし自分のためにとか思ってるなら勘違いも甚だしいから。俺がどの道を選ぶかは俺自身の問題。誰かのためになんて考えるほど善人じゃない。


俺が聞きたいのは、綾が友田とどうなりたいと思ってるのかってコト」





ピンと張りつめた空気が相変わらず漂っている。
今さらだけど、こんな所で、こんな話するのもどうかと思う。




冷静に自分の今の状況を考えてみたら、なんだか笑えてくる。




だって、私がこの先誰かと一緒に生きて行くなんてこと望んでいない。
友田とも立花さんとも……



答えはもう出ている。
ならば迷うことなく立花さんに返事をして、友田にこのメモを渡せばいい。