目の前の里美さんも、私の声に驚いて振り返る。




「あの……直樹、あ、友田さんのお知り合いですか?」



明らかに私を探る目

きっと、頭の中で私という人間がどんな人間なのか考えているのだろう。






「私、アシスタントしてます。あの、先生は今お出かけしてます。戻る時間は分からないんですけど」








なぜ、里美さんに声をかけてしまったのか自分でも分からなかった。
不在を告げて何をしたかったんだろう






「ありがとうございます。いないんですか……」


「はい」





アシスタントという私を知った里美さんは、心底安心したような顔をした。


この人、人を疑う事をしないひとだなぁ。





もし私が友田の女だったら、尋ねてきた女性に『私が友田女です』なんて言うはずがないのに